床の一部の張替えは可能？費用や手順を徹底解説！

床フローリングは、若者に人気の床材で、現在新しく建築されているアパートやマンションの床は、ほとんどフローリングでできていると言ってもいいです。

フローリングはツヤがあり見た目が綺麗、畳と違い掃除がしやすく張替えの必要もほとんどないと言えます。

ただ、フローリングにもデメリットはあります。

それは、傷がつきやすく一部でも破損したら畳のようにその部分だけ取り替えることが容易ではないことです。

果たして、フローリングの部分的な一部の張替えは可能なのでしょうか？

またその手順や費用はどうなるのか、ご紹介していきます。

床の構造について

出典：visual.merriam-webster.com

フローリングの張替えを検討するならば、まずは床の構造がどうなっているかを知る必要があります。

基本的な構造は、大引きと呼ばれる90mm角の角材が９０ｃｍ間隔で配置され、その上に根太（ねだ）という

45mm×60mmの角材が大引と垂直に303mmごとに配されており、さらに、その上に床材などが敷かれて施行されています。

床張りの工法は一軒家や集合住宅、木造とコンクリート造でも違ってくるので、それぞれ簡単にご説明していきます。

床張り工法の種類

・根太張り工法

主に木造の一軒家で使用される工法です。

根太の上に直接フローリング材を施工する方法で、費用が安価で工期も短いですが、荷重耐性が低くもろさがあります。

・捨て張り工法（下張り工法）

これも木造の一軒家によく使われる工法です。

根太の上に下地となる合板などを張り、その上に仕上げとなるフローリング材などを接着剤や釘を使って仕上げる方法です。

下地材が必要になるため、費用がかかりますが、安定性と荷重耐性が高くなります。

・直床工法

主にコンクリート造のマンションで使われる方法である。
コンクリートの床に直接、接着剤でフローリング材を貼ってあり、防音効果の高い専用のフローリング材が使われることが多い。

・上張り工法（二重床工法）

上張り工法は、もともとある既存の床材を利用して、その上に新しい仕上げのフローリング材を貼る方法です。

二重床工法とも呼ばれ、マンションなどのコンクリートの床の上に緩衝材を入れたり、防振ゴムなどのついた支持脚で床下の空間を作り、下地と仕上げのフローリングを貼る場合もあります。

フローリングの種類による張替えの違い

次に、フローリングの種類とそれぞれの張替え方法についてご紹介します。

フローリング材には大きく分類すると2種類あり、基本的な張替え方法は同様ですが、費用や丈夫さ、張替える範囲などが異なってきます。

複合フローリング

一般的な一軒家や、アパートやマンションなどでよく使用されるのが安価な複合フローリング材です。

合板や集成材など、複数の木製の板を貼りあわせて加工した床材で、表面に薄く削った天然木などを貼ってあるものが多い。

表面には、特殊な加工をしてあるシートを張ってあったり、デザインやカラーなどが豊富です。

複合フローリングの特徴は、ツヤがあり、触るとひんやりしている。

出典：kahuafloor.en.made-in-china.com

・張替えについて

複合フローリング材の寸法は、基本的に幅303mm、長さ1818mmです。

複合フローリングは色々なデザインのものがありますが、表面の木目や境目は表面部分のみに施されたものです。

フローリングの境目に見える細い溝が3本入っているものが一般的で、細い床材が4本つながっているように見えるものが1枚になっています。

部分的な一部の張替えは、フローリング材全体ではなく、張替えたい部分のみでも可能ですが、切り取る部分と新しいフローリング材の大きさをきっちり合わせて、色味やテカリなど不自然にならないように合わせなくてはなりません。

単一フローリング

単一フローリングは、単一の材料で作られているフローリングで、無垢フローリングとも呼ばれています。

素材となる木材をそのまま使用しており、その木材の種類は豊富であり、ヒノキやナラ、桜など木材の種類によって見た目や触り心地も異なります。

複合フローリングよりも価格が高く高級感があり、経年劣化が少なく、注文住宅などに使われることが多いです。

出典：www.moysunwoodflooring.com

・張替えについて

単一フローリングの寸法は、幅が90mm、75mm、150ｍｍなどの種類ありますが、長さは基本的に1818mmになります。

複合フローリングと違い、1本区切りごとに1枚のフローリング材です。

溝ごとに張替えが可能であり、材料としては高価になりますが、補修は複合フローリングよりは単一フローリングのほうが簡単であると言えます。

フローリングの部分的な張替え方法

どんなフローリングでも、部分的に一部を張替えることは可能です。

ただし、その方法は素人の方には困難であり、経験豊富な業者に依頼することが必要になってきます。

それでは、基本的なフローリングの部分的な一部の張替え方法についてご紹介していきます。

出典：newoasis6.en.ec21.com

フローリングの溝に沿って範囲を決める

フローリングの床をよく見てみると、一枚の板ではなく、細いフローリング材を組み合わせて貼ってあるのに気がつくと思います。

この溝に合わせてカットすれば、それほど不自然にならず部分的に張替えることが可能です。

※フローリング材には凸と凹がある。

フローリング材の断面を見ると、横に向かって凸と凹があるのがわかります。

この凸凹をサネと呼び、それぞれのオスサネ（凸部分）をメスサネ（凹部分）にはめ込むことによって、しっかりと固定することができます。

また、工法によっては、このサネの凸部分にななめに釘を打ち込むことによって、下地材に固定することもあり、さらに、次に貼るフローリング材の凹部分をこの凸部分にはめ込み、横から金槌などで叩いて押し込んでいくので、よりしっかり固定することができます。

張替える部分をカットする

このように、しっかり固定されているフローリング材を部分的に一部を張替えるには、まず張替える部分の周囲を養生して、サネの部分ごと上からカッターでカットして、剥がすことになります。

下地からフローリング材を剥がす時、フローリング材は接着剤で貼られているので、かなりの力が必要になり、この時、ほかの部分のフローリング材まで傷めないように注意する必要があります。

新しいフローリング材をはめる

剥がした後の下地が平らになっているかをチェックして、新たに接着剤を塗り、同じ色味で同じ形状にカットしたフローリング材を上からはめ込み、この時、できるだけサネを残しておいて、うまくはめ込むようにすれば後から浮いてくることもなくなりますが、それには高等な技術が必要となります。

部分張替えによる問題点

フローリングを部分的に一部張替えることは可能です。

しかし、それには、いくつかの重大な問題点があることを理解しておいて下さい。

後から浮いてくる可能性がある

フローリング材を部分的にカットして張替えることになるので、接続部分のサネをカットして、接着剤頼みで新しいフローリング材をはめ込むことになります。

すると、しっかりサネで接続したり釘を打ち込むことができないため、接着剤の威力が弱まると浮いてくる可能性があり、そのため、できるだけサネを残してはめ込むために、腕のいい業者を選択しなければなりません。

ほかの部分との見た目の違いが出てくる

フローリング材のデザインや材質は多岐にわたり、まったく同じ色味やツヤのものを探すのが困難な場合もあります。

持ち家で、そういったことにあまりこだわらない場合はいいですが、賃貸物件やデザインが特殊な場合は、部分的に一部張替えたことがわからないように、自然な仕上がりにしなくてはなりません。

賃貸物件の場合

賃貸物件は、床の補修などをする場合、基本的に大家や不動産会社から業者にお願いすることになります。

入居者の過失によるフローリングの毀損の場合は、入居者が費用を負担することになるので、費用がどのくらいになるか気になるところだと思います。

部分張替えなら比較的安価で済みますが、部分張替えによる上記のような問題があるため、大家や不動産会社によっては部分張替えを認めず、部屋全体の張替えになる場合もあります。

自分で勝手に業者に依頼をすると、張替えした部分が目立ってしまった場合、責任を問われる可能性もあります。

まずは見積だけお願いして、部分張替えした場合の費用と、全体を張替える場合の費用を把握してから、不動産会社に相談してみることをおすすめします。

そうすれば、あまりにも高額な費用を請求されたり、部分張替えが不可能だと言われた時に、ご自身でお願いした見積もり価格を提示して交渉することもできると思います。

フローリングの張替えを業者に依頼する場合

フローリングの部分張替えは素人には難しいので、業者に依頼するのが一般的ですが、その場合、注意することは、大幅な工事を得意とするリフォーム業者よりも、部分的な補修を得意とするリペア業者にお願いすることです。

中でも、フローリングの補修事例の多い業者に依頼するのが安心できます。

ホームページなどに施行事例が載っていて、ご自分の依頼したい内容と似た事例があれば特に安心だと思います。

出典：www.project-catalyst.info

費用は、部分的な一部の張替えなら、半日作業で15,000円〜が相場になります。

しかし、フローリング材の種類によっても差が出てくるので、まずは無料の見積もりをしてもらうことをおすすめします。

もし、部屋全体の張替えになる場合は、6畳の部屋で100,000円〜150,000円程度になるので、できれば部分張替えで済ませたいところですよね。

それには、部分的な一部の張替えでも不自然にならない仕上がりとなる、腕の良い業者を見極めることが必要になってきます。

終わりに

フローリングは、気付かない内に家具による傷が付いていたり、へこみや剥がれ、タバコやアイロンの焦げ跡など、意外と補修が必要になる部分です。

また、自分で補修するのが困難で、部分張替えも業者によっては断られることもあるくらい難しいものです。

そんな中でも、安価で高い技術力を持ち、多くの補修事例のある業者を探すことが、フローリングの補修では何よりも重要なことです。

まずは、業者比較サイトなどを利用して、複数の業者で見積もりを取ることをおすすめします。

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【あ】